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Rugby football

ニュース・コラム

Dr.Tのオンラインクリニック

ラグビー選手にとって、頻繁に起こる怪我について、その対処方法とリハビリ・スケジュール等について、シリーズでお届けします。

■Vol.05 寝ること・食べることの重要性

 「寝る子は育つ」「美人は夜作られる」一度は聞いたことがあるかと思います。この言葉は成長、体作りのコツを見事に的を得て表しています。
 よく食べ、よく動き、よく寝た人が大きくなるのです。そのためにはスポーツライフマネージメントが重要となってきます。
 トレーニング、食事、休養は3つで1セットなのです。

理想的なスポーツライフとは

・一定時間の規則正しい食事(3食以上)
・十分な睡眠
・2時間ぐらいのトレーニング
・トレーニング後の休養(昼寝など)

何を食べるかではなく、いつ食べるかが重要

 スポーツ栄養の本にもあまり書かれていませんが、食事の栄養効果は何を食べるかではなく、摂取タイミングによって大きく変わってしまいます。

1.トレーニング後30分以内で食事をするのがベスト

トレーニング後30分以内で食事するのと、2時間後に食事するのとでは身体に吸収される栄養の割合が3割違います。もちろん30分以内に食事した方がそれだけ吸収が良いのです。

この3割を埋められる食品は存在しません。ですから、何を食べるかより食事のタイミングが重要なのです。もちろん、バランスのとれた食事の方が良いにこしたことはありません。

環境的に30分以内で食事は無理という人がほとんどだと思います。
そういう場合どうすればいいか?

トレーニングにおにぎりを必ず持って行き、食べるようにしましょう。
 おにぎりを食べるだけでまったく変わってきます。また、中高生はおにぎりを食べることによって帰り道のコンビニなどによる余計な間食を防ぐことができ一石二鳥です。

2.空腹状態でトレーニングはしない

常識的なことですが、空腹状態で身体の中にあるエネルギー源のグリコーゲンが枯渇してしまい、効果的なトレーニングは行なえません。つまりせっかくの努力が、時間の浪費だけになってしまうのです。

3.朝食は必ず食べる

 絶対に朝食を抜いてはいけません。朝食を抜くと集中力低下やスタミナ不足の原因となります。
 一日の最初に食べる食事は、身体にその日活動するエネルギーを摂取し、血糖値を上げ、脳を活性化し体温を上げ、より活動が可能な身体にします。
 トレーニングをする場合この身体側の準備が重要となります。
 つまり一日において一番大切な食事はこの朝食なのです。きついかもしれませんが、たっぷり食べましょう。

 ここでワセダの選手の食事を除いて見ましょう!

 練習・トレーニングのすぐ後は。


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 バランスのとれたおいしい食事。やっぱりこれに限ります。
 この日はすき焼きでした。副菜はなんと食べ放題です。


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 みんなおいしく食べています。


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睡眠が身体を作る

 身体は寝ている間に分泌されるタンパク同化ホルモンや成長ホルモンによって構成、再構成されています。通常は午後10時から午前2時頃に成長ホルモンの分泌は上昇し、体内の新陳代謝が活発になると言われています。

1.身体は睡眠によって作られる

 成長ホルモンは寝て約2時間後、しかも22時から2時の間の時間帯に一番多く分泌されると言われています。つまり成長期の中高生にとって早寝は成長過程において非常に重要となります。

 また、筋肉もこのタンパク同化ホルモンや成長ホルモンの分泌によって作られます(再構成されます)。ですから、トレーニング後はすぐに睡眠をとることで強い筋肉をつけることが可能となります。

2.疲労を回復させる

 十分に睡眠を取ると疲れが抜けることは誰しもが実感したことがあると思います。

 睡眠には副交感神経を興奮させ(身体をリラックスさせ)、エネルギーを蓄積し疲労の回復を図るという効果もあります。

 スポーツ活動は身体を疲労させますから、その疲労を速やかに取り去ってあげる意味でも十分な睡眠は重要となることはわかると思います。

 合宿などの一日に午前・午後2回練習する場合、練習の間の昼寝はタンパク同化ホルモンや成長ホルモンの分泌によって疲労した筋肉を再構成してあげることによって、効果的な午後の練習が可能になるのです。

つまりトレーニング後は可能な限り早くバランスのとれた食事を食べ、十分な睡眠が強い体作りにとってポイントとなるのです。


特に中高生は第二次成長期で、代謝・ホルモン分泌などが盛んなので、よく学び・よく食べ・よく寝た者が大きく・うまく・強くなれるのです。

■Dr.Tとは・・・?
この企画の監修を務めるドクター。某W大学ラグビー部で長年チームドクターを務める。日本体育協会公認スポーツドクターでもある。外見はプロップコーチだが実は名医。そう、見掛けによらず、ものすごく器用。縫合なんて超芸術品。そして、何よりも注射をすることをこよなく愛するが、注射をされることは大嫌いなもうすぐ二回目の成人式。未だ独身。

■ワセダメディカルチームとは・・・?
チームドクターであるDr.Tを中心に鍼灸師のプロのトレーナー1人、リハビリ担当のPT(理学療法士)2人、学生トレーナー6人から成るチーム。いつも選手の一番そばにいて、サポートを行なっているスタッフたちです。

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お問い合わせ先 rugbycolum@wasedaclub.com