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Wonderful Rugby 〜もっとラグビーを楽しもう〜

ラグビーに興味があるけどあまり良く知らない、あるいはラグビーを全く知らない人に向けて、これだけは知っておきたいラグビー情報をシリーズでお届けします。

Rugby Familiarization 〜ルールと雑学でラグビーに親しむ〜

やったことのない人にはわかりづらいラグビーというゲームついて、ルール的な側面からのわかりやすい解説をコラム風にシリーズでお届けします。

■Vol.17 ラグビー雑学その9 「フランカー」

 今回は「フランカー」というポジションについて解説していきます。なお、今回の解説は後藤禎和コーチならびに東条雄介キャプテンに伺ったお話をもとに構成しています。
「フランカー」とは軍事用語で側兵、側面部隊を指すことは別の回で述べたとおりです。つまり、スクラムの側面にいて、攻めたり守ったりするのが仕事です。フランカーの最大の特徴は、スクラムからすぐに離れることができるということ。ナンバーエイトもすぐに離れることができますが、スクラムの最後尾にいるためフランカーよりは相手との距離があります。相手のサイド攻撃などを止めるのは、フランカーの大きな役割になるわけです。

 体の大きさで言うと、同じ第3列でも「ナンバーエイト」はスクラムからのサイド攻撃が多いこともあり、「フランカー」よりも体が大きい方が有利です。もちろん、フランカーも体が大きいに越したことはありませんが、同時に俊敏さも要求されることを考えると、体の大きさはそれほど重要な要素ではないようです。

 セットプレーにおいては、FW前2列に比べてそれほど大きな役割が課されるわけではありませんが、フィールドプレー(ボールが動いているプレー)においては、接点にいかにすばやく到達できるかが要求されます。味方がタックルされて倒れたらすぐにサポートに入る(ボールを拾ったり、接点に入ってくる相手をスウィープで弾き飛ばしたり)。味方がタックルして敵を倒したら、すぐにボールを奪いに接点に入る。こうした接点でのボールの奪い合いこそ、フランカーの腕の見せ所です。
「いいフランカーは『先を読める選手』です。ボールキャリアとタックラーの位置を見て、どこでポイントができるかをいち早く読むのです。あそこで接点になると読んだら、その地点にトップスピードで入ります。テレビ画面に映っていないところから、突然、猛スピードで現れて接点に入っていくフランカーがいたら、とても意識の高いフランカーです。早くポイントに入ることができると、『強さ』の部分はある程度カバーできます。逆に早く入れなければ、『強さ』があっても活かすことができません。接点に入る早さ(同時に速さ)こそがフランカーの命です」(後藤コーチ)

 「フランカーというポジションを一言で表現すれば『仕事人』です。『ここが危ない』とか『ここがチャンス』と考えて、自分で仕事を探して働くんです。ディフェンスでもオフェンスでもボールのあるところに常に働きかけるポジション。相手と接触する回数も多いポジションです。自分が一番大事にしているのは『気持ち』。サイズが小さくても気持ちが強い人、負けん気が強い人、きつくなっても働き続けられる気持ちを持てる人はいいフランカーになれると思います。プレーの中の一番の醍醐味は相手ボールをタックルで止めてターンオーバーするところ。フランカーのタックルでターンオーバーしてそのままトライにつながることも少なくありません。1発のタックルで試合の流れを変えられたらうれしいし、そういうつもりで1発のタックルに拘っていきたいです」(東条キャプテン)

 相手とのコンタクトが多いという点では、BKの「センター」とも共通しています。実際、「センター」から「フランカー」へ、あるいはその逆へのコンバートも少なくありません。試合では、特にディフェンス時にいかに先を読んで接点にトップスピードで入り、相手ボールを奪えるかに注目して観るといいでしょう。「仕事人」のみごとなターンオーバーのあとは、惜しみない拍手を送りましょう。

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