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Rugby football

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Wonderful Rugby 〜もっとラグビーを楽しもう〜

ラグビーに興味があるけどあまり良く知らない、あるいはラグビーを全く知らない人に向けて、これだけは知っておきたいラグビー情報をシリーズでお届けします。

Rugby Familiarization 〜ルールと雑学でラグビーに親しむ〜

やったことのない人にはわかりづらいラグビーというゲームついて、ルール的な側面からのわかりやすい解説をコラム風にシリーズでお届けします。

■Vol.09 ラグビー雑学その1「ラグビーボールはなぜ楕円球なのか?」

 前回までは、ラグビー初心者が観戦する上で最低限知っておいてほしいルールを、世の中のルールブックとは違った視点で解説してきました。今回からしばらくは、素朴な疑問にお答えする形で、ラグビーを観戦するときに知っていると“楽しい”“よくわかる”“よりいっそう興味が湧く”という豆知識をご紹介していきます。「へぇ〜」の数が増えていくように頑張りますのでお楽しみに。

 今回は“なぜラグビーボールは楕円球なのか”についてです。
 時に予想外の方向にはずむ楕円球が勝敗の行方を左右することもあり、ままならぬ人生に例えられることもあるほどです。そんな気まぐれな楕円球がラグビーの魅力をいっそう深めていることは間違いないでしょう。
“球技”と呼ばれるスポーツで、そのボールが球でないということ自体珍しく、思いつく限りではラグビーとラグビーから生まれたとされるアメリカンフットボールくらいではないでしょうか(特殊なものとしてはバドミントンのシャトルがありますが、バドミントンを球技と呼ぶのかどうかは微妙です)。やはり、ボールは“まんまる”の方が扱いやすいので、球に限りなく近い形にしてあるわけです。

 では、ラグビーではどうしてわざわざ扱いにくい形になっているのでしょうか。もちろん、“イレギュラーなバウンドをする方がラグビーがおもしろくなる”と多くの人が思ったからとか、“投げやすく持ちやすいのが楕円球だった”ということなのですが、それに気付くためには誰かが最初に楕円球ボールを使ってみなければ始まりません。なぜ、楕円球ボールを使ったのでしょうか。
 この答えは今回の疑問の解答に直結してきます。それは“昔はむしろ、完全な球のボールを作ることの方が技術的に難しかった”ということのようです。

 諸説はあるものの、いま最も有力な説となっているのは、“昔は豚の膀胱をふくらませてそれに皮を張り合わせてボールを作っていたから”というものです。豚の膀胱は適度な弾力があってボールに最適な素材だったのです。その豚の膀胱に空気を入れてふくらませた形が楕円球(いまのようなきれいな形ではなく、ややいびつな形ですが)で、その後、持ちやすく投げやすいように少しずつ形が改良されていったわけです。
 豚の膀胱を使うようになったのはいつごろなのか、それ以前はどんなボールを使っていたのかについては定かではありません。古代ローマ時代、戦場で人の頭蓋骨をボール代わりにして蹴り合っていたという記録もありますし、南洋の島々では椰子の実を使っていたという説もあります。

 そんな楕円球のボールですが、先にも書いたように、その気まぐれなバウンドがゲームの勝敗を左右するということも少なくありません。タッチライン際に蹴り込まれたボールが、タッチを切らずに味方の胸にすっぽり入って、逆転トライ。そんなシーンもけっして珍しくありません。
“ラッキーバウンド”とか“勝利の女神の気まぐれ”などと表現されることがありますが、ボールを蹴った選手に話を聞きますと、多くの場合、「けっして偶然とかラッキーなどではなくそうなるように狙って蹴ったのだ」と言います。
「ラッキーとは心外。狙いどおり。練習の賜物です」
 なかなか狙ったとおりには弾んでくれない楕円球のボールも、日々の鍛錬によってかなりの高確率で狙ったところに運べるようになるのです。

※このコーナーではみなさんが感じている“ラグビーの素朴な疑問”を募集いたします。
ラグビーを見ていて「これがわからない」「どうしてこうなるんだろう」と思うことにワセダクラブがお答えします。

例えば「どうしてラグビーボールは楕円型なのか」「なぜゴールポストはH型をしているのか」など、普段は気にしないけれども考え始めたら夜も眠れない(?)といった疑問をメールでどしどしお寄せください。
なお、投稿が多数の場合、お答えする疑問はワセダクラブで選ばせていただきます。

お問い合わせ先 rugbycolum@wasedaclub.com