ラグビーに興味があるけどあまり良く知らない、あるいはラグビーを全く知らない人に向けて、これだけは知っておきたいラグビー情報をシリーズでお届けします。
やったことのない人にはわかりづらいラグビーというゲームついて、ルール的な側面からのわかりやすい解説をコラム風にシリーズでお届けします。
■Vol.12 ラグビー雑学その4「ラグビーのポジション」 今回は、ラグビーのポジションについてです。 もちろんラグビーにもポジションがありますが、なかには「ラグビーはポジションがあって難しい」という人もいます。ですが、例えば野球でもそうですが、そのポジションならではの技・特徴があって(セカンド、ショートのベースカバーの入り方とか、投球によって野手が守備位置をどう変えるかとか、セカンド・サード・ショートに左利きがいないのはなぜかとか……)、それがわかって観戦するのとただなんとなく見るのとでは、おもしろさも全然違ってきます。 ラグビーは15人で行う球技です。大雑把に分けると、前8人のフォワード(FW)と後ろ7人のバックスとに分かれます。サッカーはゴールキーパーを除くと、フォワードとミッドフィルダーとバックス(ディフェンダー)の3つに分かれますが、ラグビーの場合は2つです。 では、それぞれの役割について簡単に触れておきましょう。 FWの最大の仕事はボールの供給です。敵ボールを奪うべく密集に入っていて、ボール争奪戦を繰り広げます。味方ボールの場合は、敵に取られずに味方が次に攻めやすいようにボールを渡します。ボール争奪戦(スクラムも含めて)で有利となるように、FWは体の大きな選手が適しています。その巨漢を利用して、ボールを持っての縦突進ということもあります。 HBの役割はFWが供給するボールを、TBへつなぐというものです。戦略的にどのようにつなぐかを考え、指示します。HBのうちのひとり、スタンドオフがよくサッカーの司令塔(トップ下、攻撃的ミッドフィルダー)やボランチ(守備的ミッドフィルダー)に例えられるのは、しばしば攻撃の基点となり、作戦上、重要な役割を担っているためです。 TBは主にポイントゲッターとしての役割があります。特にウイングには足の速い選手が多く、トライを期待されるポジションです。 FBは守備の最終ラインであり、攻撃の最終兵器でもあります。サッカーのゴールキーパーに例えられることがありますが、むしろ最終ラインのディフェンダーに近いでしょう。守備の砦でありながら、時にサイドを駆け上がり、攻撃参加をしていくというイメージです。 もう少し、詳細に見てみましょう。
先ほどの分類で言うと、1〜8がFW、9と10がHB、11〜14がTB、15がFBです。 ラグビーのポジションというのは専門性が高く、それでいて野球のように固定されているわけでもないというおもしろさがあります。3次攻撃、4次攻撃……と継続していくなかでは、本来いるべきポジションの選手がポイントに巻き込まれてしまって、その場所にいないということがよく起こります。そのときは別の選手がフォローに回らなければなりません。 ラグビーのポジションというのはそれぞれいろいろな特徴があり、どんな人でもどこかに適したポジションがあると言われています。体の大きい人も小さい人も、足の速い人も遅い人も、みんなでいっしょにできるスポーツ、それがラグビーなのです。 さて、次回からは各ポジションについて、もう少し細かく見ていくことにします。それぞれの特徴をそのポジションのスペシャリストに解説してもらおうと思っていますのでお楽しみに。 |
[BackNumber]
※このコーナーではみなさんが感じている“ラグビーの素朴な疑問”を募集いたします。
ラグビーを見ていて「これがわからない」「どうしてこうなるんだろう」と思うことにワセダクラブがお答えします。
例えば「どうしてラグビーボールは楕円型なのか」「なぜゴールポストはH型をしているのか」など、普段は気にしないけれども考え始めたら夜も眠れない(?)といった疑問をメールでどしどしお寄せください。
なお、投稿が多数の場合、お答えする疑問はワセダクラブで選ばせていただきます。
お問い合わせ先 rugbycolum@wasedaclub.com