■Vol.19 番外編
<東京多摩学園>
先日友人の山下卓から誘われて、知的障害者の団体旅行に妻紀子と二人で参加しました。奥多摩に在ります東京多摩学園と言いまして、園生50名、職員30名の知的障害者施設です。 普段は、椎茸栽培や、烏骨鶏の飼育等をして、共同生活をしています。私の家で,飲み会をする時によく、生椎茸や烏骨鶏卵を送ってくれます。 今回の旅行は1年前から計画をして、いろいろの立場の方が大変な助力をし、園生の皆さんもとても楽しみにして、待ちに待って実現しました。 卓の父上、山下園長のお話は、「障害者だからと言って、世間からはばかられる事は有りません。健常者と同様に思い出に残る素敵な旅行をしましょう。但しその為には、当然他の方に迷惑を掛けない様にマナーを身につけ行儀よくしましょう。職員の皆さんもその様に心掛けて下さい。」。飛行機に乗り、最高のホテルに2泊し、朝食は一般の方と一緒にビュッフェ形式で食事をしました。ハウステンボスでお買い物を楽しみました。山下園長の言葉通り、皆さん素直にマナーも時間も守って無事に穏やかにすばらしい時を過ごしました。 私は卓とは時々酒を呑んで話しをしますが、山下園長とは残念ながら、あまり話しをした事が有りません。山下園長の風貌はニコニコしている優しいじいさんです。気張らず、大きな声も出さず、時々皆とカラオケを歌い、行動は遅延気味で奥さんの保子さんに急かされても慌てずマイペース。でも相当懐の深い人物とお見受けしました。卓の話しでは365日働き詰めで、最近心臓が停まって生還したらしい。本当に危なかった様です。 園長を初め奥さんの保子さん、卓、職員の方々は毎日が戦いの様です。職員は老若男女、渋めのおやじ、イケメン、タレント風ギャル、昔は美人、皆さんが朝は早くから、夜中まで園生の世話をします。この仕事が好きだと言っても、恐らく嫌になる事も有ると思います。今の風潮のお金次第とか、金萬主義とは全く無縁の世界です。下の世話から、食事の介護、全てを世話します。入所当時は荒れていた園生も少しずつ穏やかな性格になって行くと聞きました。それはこうしたたゆまぬ努力と、培って来た雰囲気と、奥多摩の自然に恵まれた環境、山の斜面に建てられた知恵を駆使した施設、総ての調和の賜物だと思います。本当に頭の下がる思いです。 園生も老若男女いろいろな人が居ます。詳しい事は知りませんが、それぞれ諸事情が有る様です。障害の軽い人も重い人も居ます。園の方針により、少しでも他人に迷惑を掛けない様に、寝たきりにならず、自分で出来る事はする、出来ない事は出来る様に努力する。職員から怒られ、褒められ、努力させられる。本当は頑張りたくない人も居るはずなのです。でも甘えると悪くなり,努力すれば良くなるのです。知的障害者は他に病気を抱えたり、複数の障害を持っている人が居る様です。それを考えると大変な努力だと思います。 さてそこで、C−5の中学生諸君、五体満足、頭脳明晰、健康優良児の諸君。
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